2014年5月19日星期一

一人の日本人から南モンゴル人への手紙、再び - Jiri Gara

2014年5月13日、南モンゴルの自由を求めて闘っていたオルドスの2人の若者が、モンゴル国から中国に強制送還された。ダライバートルさんは南モンゴル民主党の創立者であり、その党首だった。トルゴールさんは南モンゴル青年会のリーダーだった。2人は、同じ南モンゴルのアルハーさんが中国に強制送還されるのを止めるための記者会見を準備していたところで、突然逮捕され、中国の公安に引き渡された。2人とも、モンゴルに滞在する合法的な資格を有していたにも関わらず、である。

 ちょうど3年前の5月10日、シリンゴルのメルゲンさんが、牧草地を守ろうと闘って凶悪な漢人入植者のトラックに轢き殺された。南モンゴルは怒った。抗議の声が全土に広がった。中国政府は驚き怖れ、事件の早期解決を図った。

 今回の、ダライバートルさんとトルゴールさんの事件は、メルゲンさんの時と事情が異なる。2人は、「政治」に関わっていた。だから、2人を擁護すれば、擁護した人も「政治」に関わることになる。「政治」に関われば中国政府から迫害される可能性が高くなる。だがら、多くの人は怯えて、2人が強制送還されたことを見て見ないフリをしている。

 今回の事件は、モンゴル国の公安当局も関わっている。この事件を非難すれば、モンゴル国の公安当局までも非難することになる。だから、モンゴル国に利害関係を持つ人は、口をつぐみ、人々がこの事件を忘れ去ることを、じっと待っている。

 悪いのは中国である。モンゴル国ではない。中国とモンゴルの国力の差は歴然としている。モンゴル国の政府を責めることはできない。

 もし騒ぎ立てれば2人の安全が脅かされるから、静かにしようと呼びかける人もいる。実際は逆である。中国政府は、南モンゴル人が関心を持っていないと判断したら、遠慮なく拷問を行う。我々の「無関心」が、二人の苦しみになり、彼らの身体を破壊する。

 祖国のために、自分の身を犠牲にして闘っている人を、「祖国」の人々が見捨てたら、その「祖国」は、存在しないのと同じである。二度と、「祖国」のために立ち上がる人はいなくなる。「祖国」は滅びる。メルセ(郭道甫)先生いわく、国家の3要素は、土地と人民と主権。万が一、主権が失われても、土地と人民が健在ならば、歴史の起伏により主権を回復することは可能である、と。今の中国政府は、3つの植民地の土地と人民を切り離し、人民をバラバラに解体するために、様々な手段を使って頑張っている。二度と独立できないようにするために。

 ダライバートルさんとトルゴールさんを見捨てることは、南モンゴルを見捨てることと同じである。自分さえ安全ならば良い。民族主義者は勝手にやれ。自分には関係がない。メルセ先生が泣いている。徳王が泣いている。バボージャブが泣いている。ダムディンスレンもトクトホもハイシャンも泣いている。モロンガもハフンガも泣いている。ニャムオトソルも凌陞も泣いている。オルドスのワンダンニャムやシニラマも泣いている。俺達の意志を継ぐ人々が遂にいなくなってしまったと。

 立ち上がらなければならない。それぞれの立場に応じて。仲間を見捨ててはならない。仲間を見捨ててしまったら、それは、もはや仲間ではない。大切な人を守るために私達が何をできるのか、考えてほしい。大切な人への関心を失ってはならない。

 今、私達が酒を飲んで歓談している、この瞬間にも、私達の大切な兄弟が拷問を受け、苦しめられているという事実を、忘れてはならない。

 南モンゴルの明るい未来を築くか、永遠に中国の植民地となり、全て漢化されるのをよしとするか、決めるのは、南モンゴル人である。モンゴルの心が、まだ死んでいないのならば、立ち上がらなければならない。馬頭琴とモンゴル相撲だけが世界遺産として残っても、それは、もはやモンゴルではない。博物館の展示品に過ぎない。

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