2014年9月13日星期六

狂暴国家中国の正体 (扶桑社新書) – 楊 海英 (著)

内容紹介
序 章 中共による少数民族大虐殺
第一章 「中国」という諸民族の牢獄
第二章 近隣諸国へ肥大化する中華ナショナリズム
第三章 シナの謀略「民族絶滅」
第四章 ユーラシア外交が日本を救う
第五章 日本が内モンゴルと同じ轍を踏まないために

─日本は中国の少数民族と同じ轍を踏むな!
中国に幻滅し、中国籍を捨てた気鋭のモンゴル人が学者が説く日中関係論─

中国・内モンゴル自治区では文革時、過去の満洲国時代に「日本人に協力した罪」を口実に、27万人が殺害され、
12万人に身体障害が残るという大虐殺が行われた。
最終的な死者は30万人とも推察され、著者はその惨状を幼少期に体験した。

「海に囲まれた日本と草原に囲まれたモンゴルの対中感覚には近似性があり、一方で、漢族地域と長きにわたり地続きで対峙してきたからこそ知り得た、
中国人の習性、弱点がある」と楊氏はいう。また、「内モンゴル」とはいわゆるかつての満蒙の一部であり、
日本人がモンゴル人や満洲人とともに満洲国を建設した地である。故郷を一にする立場からも「日中友好」などという空疎な理屈ではない対中政策を、と警告する。
現在もなお、モンゴル、チベット、ウイグルの人々が自らの土地で受ける中国共産党による抑圧と搾取の本質を明らかにすることは、
日本の領土、領海侵犯に対する外交政策においても多くの示唆を与える。
本書では、ロシアのクリミア(モンゴル系タタール族)併合が中国に与えた大義、華夷秩序において歴史的に二枚舌外交を得意としてきた朝鮮の性質などについても、
イスラム系を含むモンゴル政治史というフィルターを通した持論を展開。
歴史人類学を縦横に駆使した東北アジア論である。

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内モンゴル自治区を巡る中国共産党独裁の実像

中国共産党の独裁のいわゆる黒歴史(多民族弾圧・抑圧による同化と支配)については、これまでチベット自治区、そして新疆ウィグル自治区(東トルキスタ ン)がクローズアップされてきたように思われる。かかる情況で、本書は「中国に幻滅し、中国籍を捨てた気鋭のモンゴル人学者」(本ページ「商品の説明」よ り:1文字の誤植訂正済)による、中共独裁政権による名目的「自治区」とし、漢民族入植と同化政策に観る実質上の「植民地化」(56〜59頁ほか)、そし て弾圧と「ジェノサイド」(16〜43頁)等に象徴される、内モンゴル自治区の近現代史と漢民族及びモンゴル民族の比較民族学考察であると言って良い。本 書の構成・内容は、このページの「商品の説明」に詳しいのでそれに譲るが、本書の中核は「内モンゴル」問題にあるが、中国共産党の独裁の黒歴史を語る上で 避けては通れない、チベット、新疆ウィグル等の民族問題(著者の弁を借りると弾圧と収奪・植民地化)のほか、「回族」問題も取り上げている(211〜 218頁)のが特徴である。著者は、かかる中国共産党独裁の黒歴史を、写真や研究資料などを展開しつつ、極めて厳しく批判し、軽率な日本のODAや安易な 「日中友好」による(中国による)掌返しに警鐘を鳴らすものである。著者の生まれや育ちを斟酌すると充分に理解できるが、一部に多少情緒的な筆致が垣間見 えるのが惜しまれようか。

個人的に興味深いトピックには、日本国内の大学に勤務する「中国人教授」(本書の表現に従う)が2012年に、 中国の新聞『環球時報』(中国共産党系機関紙とされ現在のWEBサイトには英語版“Global Times”もある)において、「沖縄の帰属は未定。日本はのさばるな」という「見出しの記事」を書いたと言うのである(110〜113頁)。当該新聞の 写真が1ページ大で付されており、当該「見出し」が簡体字であるため本ページでは表示できない。当該「見出し」の前半部は日本語の「沖縄帰属未定」の簡体 字であり、「沖縄の帰属は未定」の意であると判る。後半部は日本語で「日本別囂張」の簡体字で、WEB版の翻訳サイト等で調べると“日本は高慢になるな” という、本書の指摘通りである。学問の自由は憲法23条で保障されていることは充分に承知だが、国益に反するような活動を行う「中国人教授」を雇用するこ とに些か疑問を感じざるを得ない。在留外国人の政治活動の自由と在留許可の論点については、既に“最大判昭53・10・4”が示す確定された判例法理の示 すところで、外国人に及ぶ日本国憲法の人権の範囲、在留中の政治活動等が在留許可に及ぼす消極的効果等については、改めて論を俟つまでもないだろう。著者 は「中国のプロパガンダ」と指弾するが、日本の新聞で論説を発表するなら、“健全な言論市場”での右記事に対する反駁・批判の機会があると言えようが、中 国の(中共系)新聞に中国語で発表する(英語版記事の存在は不明)というのは、如何なる意図があるのか甚だ疑問であると言わざるを得ない。このほか、内モ ンゴル自治区への中国共産党の支配・弾圧の経緯、ウィグル・チベット問題と絡ませた中国共産党の政治姿勢(中華思想)など興味深いトピックがあり、中国共 産党の覇権主義の実像を知る一冊だろう。

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