2016年7月9日星期六

静冈大学教授杨海英获日本研究奖





日本研究賞;
楊 海英(大野旭)静岡大学教授 、1万ドルを受賞者に贈る
「日本陸軍とモンゴル 興安軍官学校の知られざる戦い」(中央公論新社、2015年)
「チベットに舞う日本刀 モンゴル騎兵の現代史」(文藝春秋、2014年)

 1964年、内モンゴルで生まれ、現在は日本国籍の楊海英氏は、国際社会の力学に翻弄され続ける南モンゴル人の目で中国と日本を描いた。祖国の南北分断を、米英ソによるヤルタ協定によって決定的にされたモンゴル人、とりわけ南モンゴル人は、その後に続く中国支配に対する民族自決の熾烈な闘争の真っ只中に、21世紀のいまもある。
 ヤルタ協定の源に満州国を創った日本が存存することを氏は指摘する。同時に戦後の価値観に基づく日本否定を否定し、満州国における日本の統治と教育、とりわけ騎兵の育成に、武を尊び知を崇める日本人の文武両道の精神とその実践を見てとり、遊牧の民のモンゴル人の価値観と重ね合わせて評価する。モンゴルの興安軍官学校と騎兵たちに思いを馳せつつ、モンゴル人が中国共産党によって主導権を奪われ、チベット戦に利用された歴史を深い哀しみの内に実証的に描いた。
 氏の研究の秀逸さは徹底した現地調査と膨大な量の第一次資料の収集にある。受賞作に登場する人物の軌跡は史実に沿って忠実に描かれている。そこには現在も続く事象に密接に関係する中国共産党支配の構造が見てとれる。
 氏は本書にもつながる主題として文革当時の状況を長年研究してきた。それらは「モンゴル人ジェノサイドに関する基礎資料」としてすでに8巻、9000頁に上る大部の研究書として発刊済みだ。文革中に起きたモンゴル人ジェノサイドを中国が向き合うべき未解決の人道上の犯罪であるとする氏の研究を単なる中国批判ととるのは皮相にすぎる。中国は現在、なぜ国際社会の秩序と価値観を根底から揺るがしつつあるのか。その国柄を理解して、初めて国際社会は中国に対応できるが、その意味で氏の研究は貴重な手掛かりである。
 モンゴル人の視点に基づく日中両国の民族性及び国柄の比較は日本人自身に改めて日中両国の文明の隔たりを知らしめる。優れた日中文明論でもある楊氏の作品は日本に対する切な要望でもあろう。モンゴルをはじめ、かつて日本が支配下に置いた民族や国では、実は大東亜戦争の傷は癒えておらず、それらの国々の現状を放置せず、真の回復のために日本が積極的に関与していくことが求められている。特にモンゴルでは日本への期待が強いことを認識してほしい、と楊氏は語っているのではないか。

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