2014年4月17日星期四

中国共産党のプロパガンダとメディアリテラシー

2013年9月20日(金)に「世界の村で発見~こんなところに日本人~内モンゴル」が放送されました。日本人残留孤児として「中国人に助けられ」、「中国人に育てられた」ウユン(烏雲)さんは、「中国を愛し」、「中国への恩返し」をしているといいます。
 ウユンさんの暮らす南モンゴルの東部地域は、1636年から1911年まで満洲人の清朝に支配され、1912年以降、現在に至るまで「中国」に侵略されておりますが、1932年から1945年までの13年間は満洲国の統治下にありました。
 1945年に日本が敗れて満洲国が滅びると、公務員や開拓者として満洲国に住んでいた日本人は帰国することになりました。このとき、逃げ遅れた民間人が南モンゴルのゲゲンスム付近でソ連軍に攻撃されて集団自決するという事件もありましたが、すでに南モンゴルに侵入していた「中国人」たちは犠牲者の...遺体からお金や貴重品を取ったり、死体の服を剥がしたり、生き残った日本人の子供達を強制連行し、男の子を1元、女の子を0.5元で売り飛ばしたと言い伝えられています。
 ウユンさんは「中国人に助けられ、中国人に育てられた」と言っていますが、ウユンというのは「智慧」を意味するモンゴル語です。「烏雲の森沙漠植林ボランティア協会」のホームページでは、「一人生き残った立花さん(敵国の少女)は蒙古族の養父母に育てられ、教師として草原での教育に献身」と、ウユンさんのことを紹介しています。
 たしかに中国政府の見解に従えば、いわゆる「蒙古族」も「中国人」なのかもしれません。しかし、「中国人」という言葉でウユンさんのアイデンティティを誤魔化してしまうと、放送を見た人々は、モンゴル人ではなく「中国人」が良いことをしたのだと錯覚してしまいます。
 モンゴル人の養父母に育てられ、モンゴル人としてのアイデンティティを持っているはずのウユンさんは、長年にわたる中国共産党による洗脳の結果、愛国教育の「生きる教科書」として、プロパガンダに利用される存在になってしまったようです。言うまでもありませんが、ウユン先生を助けたモンゴル人の南モンゴルは、残念ながら現在も「中国」の植民地のままです。
 このように、中国共産党のプロパガンダは日本の民間テレビ放送にまで浸透しています。日本のテレビ局は、中国による1世紀以上におよぶ南モンゴル侵略の歴史を歪曲し、モンゴル人大虐殺の事実を抹消し、モンゴル人に対する差別、圧迫、略奪が今も続いているを現実を隠蔽することに加担しています。
 偏向放送や捏造放送に騙されて真実を見失わないためにも、日頃から高いメディアリテラシーを備える努力を怠ってはならないと痛感しました。

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